独立前に知っておきたいフリーランスと会社員の保険の違い

会社員は第2号被保険者として、厚生年金保険に加入している。保険料は、自動的に給料から引かれる。
一般的に健康保険は、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していることが多い。健康保険では傷病手当があり、ケガや病気のため仕事ができなくなった場合、休業4日目から、1ヶ月の給与の3分の2ほどの金額が日割りで支給される。女性なら所定の出産手当金を受け取ることもできる。厚生年金保険と健康保険の保険料は、企業と労働者が半分ずつ負担する。

会社員は労働保険にも加入している。労働保険には雇用保険が含まれるが、この保険に加入していることで、失業した時や育児や介護で休業した時に給付金を受け取ることができる。雇用保険の保険料は、折半ではないが、企業側の負担率が大きくなっている。
労働保険には労災保険もある。業務中の災害で休業しなければならなくなった時に給付金を受け取れる。労災保険の保険料は企業側が全額負担する。

一方、フリーランスは第1号被保険者で、年金は国民年金保険に加入し、健康保険は国民健康保険に加入する。国民年金保険料と国民健康保険料は全額自分で負担する。
国民健康保険には傷病手当はないため、病気やけがで働けなくなった場合には、収入がなくなってしまう。労働保険にも加入しておらず、作業中の災害や育児、介護で仕事ができなくなっても、金銭面でのサポートを受けられないのがネックである。
こうした事態に備えるために、民間の就業不能保険や所得補償保険に加入することもできる。フリーランスとして活動するならば、このような仕事の形態によって異なる加入可能な保険についても十分に理解しておく必要があるだろう。